吉良吉影

水の中のナイフの吉良吉影のネタバレレビュー・内容・結末

水の中のナイフ(1962年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

ポランスキー白黒初期3部作の1作品目。順番に見るべきだったと少し後悔。

作品の方向性は『袋小路』と似ている。夫婦が密室空間の中で第三者の介入によって、徐々にギクシャクした関係になっていく。

正直終盤20分くらいの青年が海に落ちるまで、展開はないに等しい。ただ夫婦の週末に、優雅にヨットの時間を楽しむだけ。青年はヨットの上をちょこまかちょこまかナイフを持ちながら遊んでいるだけの映画である。どうやってこの作品にオチをつけるのだろうと思ったが、青年が海に落ちることによって、夫婦の倦怠期のモヤモヤが爆発。そして、青年と妻の不倫が始まる謎の展開。なんでそうなると思ったが、最終的には2人はこの騒動をきっかけに、ギクシャクした関係を修復することができた。

ヨットの3人で和気藹々と話すシーンがなく、淡々とした会話・やり取りから絶妙な空気感が伝わる。このような演出の作り方は、流石お上手である。
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