せびたん

怪異談 生きてゐる小平次のせびたんのレビュー・感想・評価

怪異談 生きてゐる小平次(1982年製作の映画)
4.0
ブラジルのロドリゴ・アラガオ監督の独自性にやられちゃって、なんか悔しいから邦画で日本独自の味を出してるやつを探してみました。再レビューですが…。
邦画はあまり観てないので、フォローしてる方々のレビューを参考に観ていきたいとは思ってます。アメリカ映画の影響受けすぎ(無自覚に?)の作品には苦笑しか出てこない私ですが。

「人を殺した者はけして幸せになれないし罪の意識に押しつぶされて自滅する」という昔の邦画(特に怪談もの?)のお約束通りの展開ではありましたが、幼なじみ3人組のあやういけれど楽しげな日常からの真っ逆さまな堕ちっぷりはジェットコースターのようなスリルがありました。江戸時代の物語です。

ホラー、サスペンス、時代劇、ミュージカルの要素が今まで見たことのない融合の仕方をしてました。

ミュージカルということでいいますと、民謡・歌舞伎・都々逸?が詰めこまれておりまして、おもしろい様式になってました。洋画のミュージカルってやつを時代劇にするとこうなるんだぜ、みたいな?
この様式、けっこう楽しかったです。誰か真似すればいいのに。あ、引用すればいいのに(←大切な言い直し)

「明日から3人で物見遊山の旅(観光旅行)♡」と言った次の場面で、お遍路姿の3人が山道を歩いているので、あれ?って思うんですが、これって江戸時代は自由に移動できなくて、お参り的な用事がないと関所を通れなかったもんだから、みんなそういう体裁で旅行に出かけているってことであってますかね?

残念なのはわたし的には情念の世界に囚われすぎてるような気がすることくらいでした。
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