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戸田家の兄妹のadeamのレビュー・感想・評価

戸田家の兄妹(1941年製作の映画)
2.0
日中戦争から帰還した小津が最初に監督しヒットさせたホームドラマ。
父の死を発端に家族に繋がりの希薄さが露わになり、崩壊していく様を描いた物語です。
キネマ旬報で自身4度目の年間ベストワンを受けるなど興行と批評両面で成功を収めた本作ですが、特に比較されがちな後の「東京物語」と比べてしまうと語りが露骨すぎて情緒が薄く感じられてしまい好きになれませんでした。
まるで小公女のように酷い仕打ちに合う描写は目に見えて意地悪なうえ、胸のすく終盤のシーンもあからさまにやっつけ過ぎで、分かりやすく悪を懲らしめるという娯楽としては大正解なカタルシスを得られる一方、ドラマとしては感情の捉え方が繊細さに欠ける印象を受けました。
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