デニロ

宮本武蔵のデニロのネタバレレビュー・内容・結末

宮本武蔵(1961年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

1961年製作公開。原作吉川英治。脚色成澤昌茂 、鈴木尚之。監督内田吐夢。

70年代に『宮本武蔵 一乗寺の決斗』を並木座で観ている。吉川英治の原作を読んでいないので何が何やらよくわからなかった覚えがある。その後、観る機会に恵まれず今に至っていた。数年前、吉川英治原作、井上雄彦作画「バガボンド」の単行本を徐々に買い込んで読んだのだが、佐々木小次郎との邂逅辺りで筆が止まっている。気にして買い込むまで「バガボンド」って、バカボンと同様のナンセンス漫画だと思っていた。

本作は、武蔵と友人又八が関ヶ原を最後の立身出世の道を思い西軍に与するも敗れる。一国一城の夢破れボロボロになり果てながら何とか生き延びていくのだが、そこに木暮実千代、丘さとみの母娘が現れて傷ついた若者を心身ともに癒す。木暮実千代が傷ついた又八の脚に焼酎を吹きかけ、口で毒素を吸い取る場面の艶めかしさはいわく言い難し。又八には許嫁入江若葉がいるのだが木暮実千代の年増の色香に惑い母娘と共に武蔵を置いて何処にか旅立つ。武蔵は西軍の残党狩りを切り抜け故郷に戻り又八の無事をその母親浪花千栄子に伝えるのだが、跡取り息子を誑かした武蔵の所在を権力に通報する。うむ。その後、浪花千栄子は恐ろしいほどの嗅覚と脚力で武蔵を追い続ける。その鬱陶しさと言ったらありません。

結局武蔵は謎の僧侶沢庵に/仏の慈悲/とか言われて捕らえられ千年杉に吊るされるが、幼い頃より武蔵に恋心を抱く入江若葉に救われる。この沢庵という男は全国各地の権力者と知己があり、とんだ生臭だ。この後も忘れた頃に登場します。
さて、沢庵に姫路の白鷺城に連れていかれた武蔵は、城主池田輝政に預けられその天守の一角に蟄居させられる。そこで3年の間、沢庵が置いて行った学問の書を読むことになる。沢庵は武蔵を追う入江若葉に白鷺城を指し謎かけの如き文言を吐き去る。

ここからが面白くなるんだけれど、それはまた1年後。

丸の内TOEI 中村錦之助=萬屋錦之介 生誕90周年記念 にて
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