スポック

越前竹人形のスポックのレビュー・感想・評価

越前竹人形(1963年製作の映画)
3.5
自分自身が望まない強姦のような性行為であったとしても授かった生命を堕胎した罰が夫婦を破滅させたのか。
不自然な関係を継続し続けた男の罪が二人を不幸にしたのか。
夫の不自然な対応から欲望を抑えきれなくなった妻の不貞の罪が二人を不幸にしたのか。

若尾文子の一人途方に暮れる女の演技がまたまた色っぽい。

大俳優の中村鴈治郎の酸いも甘いも知り尽くしたような予想もしなかった汚れ役に驚いた!
中村玉緒の妹のような女性の義理人情の可愛らしい演技が自然でめちゃくちゃ良かった。

現代の行き過ぎたコルプライアンスや極端な人権擁護などで、本来の生き物としての人間の本質や嫌悪感や真実が表現しづらくなっている昨今のドラマでは描ききれない奥深さがある。