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越前竹人形のharuのレビュー・感想・評価

越前竹人形(1963年製作の映画)
3.5
嫁より、竹。

亡くなった父の後を継ぎ、毎日一人でせっせと竹細工に勤しむ喜助の元に、玉枝という若い女性がやってくる。彼女は父がかつて贔屓にしていた遊女。そんな玉枝に一目惚れした喜助は、武生から芦原に通いまくって、猛アタックを繰り返す。そしてついに二人は結婚して幸せに暮らす…予定でしたが、いざ結婚したら夫は妻に見向きもせず、竹人形作りに精を出すのでした。

喜助の一途さと純朴さに絆され、結婚を決意した遊女の玉枝。嫁ぎ先は知り合いもいないし、何もない田舎だけど、やっと幸せになれる…!と思ったら。夫は新婚なのに嫁には目もくれず、竹とばっかり遊んでるではないか!ということで寂しさを募らせる玉枝は、勇気を出して「私のことが嫌いなの?」と夫に問いかける。ところが返ってきた答えに、彼女は絶望するしかなかった。
父を尊敬し、母を慕っていた喜助が、玉枝に抱く感情はわからなくもないけど、一方の玉枝の気持ちもわかる。二人の気持ちは同じなのになかなか交わらず、ヤキモキします。そしてそのまま気づけば半年も経っていて、これは何かきっかけがないと先に進まないのでは?と思っていたら、中村玉緒のナイスアシスト!夫婦はやっと分かり合うも、時すでに遅し…!ラストは怪談みたいな終わり方でした。
とにかく若尾文子の美しさ!そして「日本昔ばなし」みたいな感じが好きです。
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