いめーじ

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズのいめーじのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

いつもの春日部でリアル鬼ごっこ(クソ笑える)をしていたら潰れた映画館に迷い込み、無人の中で上映されていた西部劇の荒野に入り込んでしまう。

ギャグはもちろんあるのだが、それ以上にあるバイオレンスと感じの悪い敵は戦国アッパレよりも見ていて辛くなる。みさえが馬鹿にされるシーンとかもちょっとキツい。だがこの映画は俺に効きすぎる。

記憶がなくなっていく設定に関しては、ズレた解釈かもしれないが地元を離れて都会に行ってそこに染まっていくようなパターンに似ている気がする。あとは社畜とか単純に現実とフィクション。
そう考えると最後のシロとの再会でパッと元に戻ったシーンにはいろいろと思うことがあるなぁ。

独身映画オタクのおっさんの考察とか解説したりする行動に「分かる」ものを感じていろんな意味で笑える。映画の中に入れるなんてワクワクしちゃうもんな。おっさんと博士の友情も良かった。
アンチジャスティスの人達の登場は熱くて俺の中の男の子が反応した。何かのパロかな?
そんな個性あるキャラクター達や戦隊ヒーロー展開やロボットの登場など西部劇というジャンルを超越しまくるクレしんだからこそのおもしろさが全開で最高。

ヒロインのつばきちゃんは常に裸足だから守りたくなるし優しいし成長途中だし…しんのすけが惚れるのも分かる。しんのすけがお姉さん以外にガチ恋したのは初めてだろうし、あんな別れ方をしてしまうなんて切なすぎる。すげえ泣いてしまった。
俺も好きになった人が気付いたらアニメの中の人物だったってことはあるからすげえ分かる。
しんのすけは彼女と話したし触れたんだからもうどうしようもない気持ちだろう。
最後にひろしが空の映画館を無言で振り返るシーンは思い出しただけで泣ける。個人的にはクレしん映画の中で一番好きなシーンかもしれない。もし誰かが映画館を訪れたとしてもあの世界に行くことは無いだろうし、フィルムがあったのかも分からないけどホコリを被って誰の目にも触れない物になってしまうのだろう。そんな彼女達の意識はどこにいくのだろうかと考えてしまう。映画の終わりと同時に止まってしまうのだろうか。もし動いたとしてもエンディングのように靴を履いて笑顔のハッピーエンドには違いないのだろうが、そこにしんのすけはいないんだ。

それにしても予告にあって本編にはない映像が多い。パッケージのロボット誰だお前。
俺の世界はずっと止まったままですけど、主題歌の歌詞にある「平凡な毎日に○あげよう」ってのも良いなぁ。