安堵霊タラコフスキー

黄昏の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

黄昏(1981年製作の映画)
4.6
先日イーストウッドの運び屋を見てこの作品を思い出したのだけど、沁みる度合いで言えばこちらの方が上だった。

というのも最初に晩年のヘンリー・フォンダとキャサリン・ヘプバーンを描いたパートが続いているだけで最高級の演技のアンサンブルが拝めて心地良いのに、そこにジェーン・フォンダが加わると実際の親子関係を見ている気分になって何とも言えない気持ちにさせられる。

欲を言えばもう少しフォンダ親子の絡みが見たかったが、掛け合いが少ない故に最後のシーンが印象的になる効果はあったしそこでのジェーン・フォンダの演技も真に迫ったものが感じられた。(おそらく本人的にも自分に近いキャラだから感情を出し易かったはず)

映像は美しいがカット割りの多いところはアメリカ映画らしく、その点は似たコンセプトながら作品自体の芸術性も高かったイングリット・バーグマンの秋のソナタに劣っていたように思えたけど、役者の演技や実生活とのリンク具合ではこちらが優っていたのでやはり良い映画だったと言わざるを得ない。