80年代NYハーレムのゲイカルチャー、黒人や有色人種が集まり、思い思いの装いで着飾って踊る「ボール」。
女でも男でもなく自分をエクスプレスすること、何者でもない自分になること、自分を肯定する喜びに溢れたヴォーギングダンスの熱狂に圧倒される。
そして自分が自分であるためにまとわりつく差別、軋轢、貧困の苦味、仲間の温かさ。
見るという行為が特権的な色を逃れないのはわかってるけど、この人たちがいて、またこの人たちに視線を向け、残す人がいて、知ることができて良かった。
まだAIDSの脅威が深刻になる90年代直前のエネルギッシュな生の記録。