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四十七人の刺客のmatchypotterのレビュー・感想・評価

四十七人の刺客(1994年製作の映画)
3.5
《侍の映画》、Vol.2。『四十七人の刺客』。

少し前までこの討ち入りの12月14日近辺ではよく民放でやってた記憶がある。

赤穂浪士(赤穂義士)たちによる討ち入り。
吉良上野介の首を取る一世一代の主君の敵討ち。

映画でも、演劇でも数多く取り沙汰されるこの赤穂事件。

赤穂藩主、浅野内匠頭長矩が江戸城の松之大廊下で吉良上野介に斬りかかる。
これに時の将軍徳川綱吉が激怒して、浅野内匠頭は即日切腹。

しかし、一方で理由はどうあれ、“喧嘩両成敗”の武士の文化の中で、吉良側はお咎めなし。

赤穂藩は、主君の切腹から、御家取り潰し。
部下の藩士たちは家禄を取り上げられ、流浪の民、つまり、無職状態。

この処遇に不満が爆発し、赤穂藩の筆頭家老の大石内蔵助が家来と発起し、主君の切腹から2年弱ほど準備に準備を重ね、要塞とかした江戸の吉良邸に討ち入りを果たす。

そんな江戸中期の、復讐劇。
元禄15年、1702年12月14日のこと。
親の首を取られた子達が、親の無念を晴らすために権力にリベンジ決める話。

武士のこの覚悟というか、考え方と言うか、ルール、お作法。
今の世の中でへらへら生きてる身としては想像を絶する。

主君の命を取られた仕返しに相手の命を奪う。
それが、自分が罪人となり切腹する羽目になったとしても。
その罪の余波が自分たちの家族などに及ぶとしても。

この浅野内匠頭が吉良上野介に斬りかかった理由は定かではないらしい。

たまに出てくるこの事件関係の映画とかを観ると、浅野内匠頭が吉良上野介にやたらとなじられてたり、いじめられてたりして、田舎者扱いされ、故郷を馬鹿にされ、それで逆上して堪忍袋の尾が切れてブチ切れて斬りかかってるイメージがあるけど、本当はどうだったんだろうか。

この討ち入りのメンバーも最初はもっといたけど、色んな理由で減っていく。

吉良邸では、要塞みたいなお屋敷に、圧倒的な数の敵。

これらを入念に重ねてきた準備や策略で払拭し、数が減ろうが敵の守りが鉄壁だろうが、決してブレずに、これが武士の本懐だと言わんばかりの目的への執念。

屋敷に突入してから最後まで、なかなか目が離せない。

高倉健さん他顔ぶれもまたすごい。しかも若々しい。

そんな中で一際輝く天使、宮沢りえ。
これはズルい。こんなん可愛いに決まってるじゃん。最高か。
とても初々しく、天真爛漫。
そして、すでに出ているオーラ。風格。

昔観た時はあんまり気にも留めてなかったけど、大石内蔵助、モテ男、だった。

朝丘ルリ子→黒木瞳→宮沢りえ。
年代を超えたすべての美女に好かれる男。羨ましい。命を張ることになるけど、羨ましい。

高倉健らの演技とか、出来事のスケールの大きさや顛末とか、時代を揺るがした事件と江戸時代の壮絶な命とプライドをかけた歴史的大事件の映画なのに。

それなのに、高倉健の色男ぶりに嫉妬もしてしまう作品。
宮沢りえ、ホントかわいい。
吉永小百合同様、これはもう別次元。
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