一粒万倍日

県庁の星の一粒万倍日のレビュー・感想・評価

県庁の星(2006年製作の映画)
3.9
私達の暮らしには、「変えられる」ものと「変えられない」ものがあります。

行政の古くからある慣習や官民の癒着した体質、県民の気持ちを置き去りにした税金の無駄遣いなど。

選挙で選ばれた民間出身の知事であっても、最後はそんな体質に丸め込まれてしまっていたというオチなのですが…。

そんな体質の県庁に努める仕事のできるエリート街道を突き進む織田裕二さん演じる野村。
野村は上層部や癒着企業の社長の期待に応える仕事ぶりから、出世だけでなく逆玉までも上手く突き進んでいる県庁側の「県庁の星」でした。

そんな野村の他7人のエリートが、「住民の気持ちを知らない」という県民の反発をおさえる為に、半年間という期限付きで民間企業に派遣されます。

野村の派遣先はマニュアルも無く消防法の査察勧告を受けている、不採算に今にも閉店に追い込まれそうなスーパー「満天堂」。

そこでエリートで培った分析力で上から目線で正論を押し付けていく野村に、パートリーダーの柴咲コウさん演じる二宮さんが反論していく。

「満天堂」での顧客目線に立つという経験をしていく中で、挫折や失うモノもあったが、仕事をしていく上での大切なことを学ぶことに。

どん底を味わう経験によって大きく変わることのできた野村は、県庁側の「県庁の星」から住民側の「県庁の星」となりました。

県庁のカフェにある高価なエスプレッソマシーンが、「税金で飲んでます」から「1杯100円」なったことは小さな変化ですが、まずはそんな日常の習慣や意識改革が、今後の大きな変化へと変わっていくことと思います。

織田裕二さん熱演の体当たり映画でした!
特に、織田さんの眼鏡をかけたエリートシーンが私は好きです。