てるる

悪魔のいけにえのてるるのレビュー・感想・評価

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)
3.8
「君子危うきに近寄らず」

「だからそこ入っちゃダメだって!このバカー!」
と何度観ても思っちゃう。
あんなヤバそうな家に近づくだけならまだしも、あまつさえ家の中に入るとか自殺行為でしかない。

ホラーファンの間ではレジェンド級のスプラッター映画。
先日惜しくもお亡くなりになられたトビー・フーパー監督のデビュー作でもある。

当時の数あるホラー映画の中でも、この異様なテンションと空気感は別格。

低予算で製作されたが故の粗い画像、そしてデビュー作ゆえの粗削りさが逆に奇跡的なホラー演出となっている。

小さい頃からホラー映画はよく観てたけど、この映画を初めて観たのは高校生の頃。
既に多くのホラー映画を観ていたので、普通であれば「あ、これは殺されるな」というお約束的な流れが分かっている。
分かっているはずなのに、この映画の唐突感と不条理感にはあっけに取られた。

特に最初の被害者が殺られてドアをシャッと閉めるシーンの流れはヤバすぎて脳裏に焼き付いて離れない。

そしてその後のジェットコースターばりの怒濤の展開。

もう後半はとにかくうるさい。
主役の女の子は実際にケガをして、血を流してるにも関わらず撮影を続行したらしく、その狂乱ぶりと耳をつんざくような悲鳴とチェーンソーの音が延々と続く。

昔深夜にこれ観てたら、当時の彼女に「うるさい!!」とこっぴどく怒られたトラウマw

注目して観て欲しいのは、レザーフェイスが場面によって被るマスクが変わってるところ。
それが彼にとって一種のオシャレであり、そこが更に異常性を感じさせる。
ディナーの席で化粧してるところとか、ある意味可愛げすら感じたり。

ホラー描写としても完成度は高いけど、おじいちゃんにハンマーを持たせようと頑張ったり、レザーフェイスが自分の足切っちゃうドジッ子なとことか笑えるところもあるのが良い。

今回はCSで公開40周年記念版を観たけど、変わらずの面白さとうるささだった。
逆に映画館では観たくないw

でも正直言うと、個人的にはリメイク版の「テキサス・チェーンソー」のほうがグロさや映画としての面白さがあって好きだったりする。
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