Kumonohate

風雲児 織田信長のKumonohateのレビュー・感想・評価

風雲児 織田信長(1959年製作の映画)
3.3
織田信長といえば、なんといっても大河ドラマ「国盗り物語」の高橋英樹がベストである。濃姫といえば、やはり「国盗り物語」の松坂慶子がベストである。それほどあの信長は強烈だったのだが、本作の中村(萬屋)錦之助と香川京子のペアリングはそれに次ぐ好感度かもしれない。

ただし、ドラマとしてはイマイチで、前半こそソコソコ面白いものの、後半ガクガクッと失速する。クライマックスであるべき桶狭間の戦いが、期待したほど盛り上がらない。昭和34年の日本の地方は、何も隠さずとも時代劇が撮れるのだなあと感心するくらい、ロケーションが素晴らしいだけに、この失速は残念である。

それにしても、織田信長という人物はカッコイイ。常に時代の先端を行き、アンシャン・レジームを破壊し、一説には絶対王政による専制君主を目指したともいわれるが、まさに風雲児である。そんな信長像が、ちらほらと垣間見えるだけに、なおさら後半のしょぼさは残念である。
Kumonohate

Kumonohate