「悪魔の赤ちゃん」や「フォーン・ブース」を手掛けたラリー・コーエンの原案を基に「デッド・コースター」や「スネーク・フライト」のデヴィッド・R・エリス監督が手掛けた携帯電話をテーマにしたサスペンススリラーです。
夫と息子と幸せな生活を送る生物と科学の教師ジェシカ。しかしある日、突然自宅に踏み込んできた男達に拉致され、どこかの家の屋根裏に監禁される。ジェシカは壊された電話を何とか修理し電話をかけ、その電話に出たライアンという青年に助けを求めるというストーリーになっています。
久しぶりに鑑賞しましたが、やはり面白い！武装した男達が家に踏み込んできてジェシカが誘拐されるまで数十分くらいで、そこから屋根裏に監禁されたジェシカが叩き壊された電話何とか修理して電話をかけて助けを求めるまでポンポン進んでいきます。
たまたま電話がつながった青年ライアンを演じるのはキャプテンアメリカになる前のクリス・エヴァンス。初めは軽くて責任感感じられないガキみたいとふられた元カノ(ジェシカ・ビールが演じてます)に未練タラタラなチャラい若者という感じで、ジェシカからの電話もイタズラだと思いますが、脅された時のやり取り聞いて本当だと理解してからの奮闘具合が素晴らしいですね。猛スピードで逆走したり工事現場突っ切ったりしてカーチェイスしたり、携帯ショップで発砲して充電器強盗したり、嫌味な弁護士の高級車ぶんどって疾走したり、敵が狙うバッグ盗って必死で逃げたり携帯で交渉したりと、特別な力持たない一般人が必死で頑張る姿に自然と応援してしまいます。序盤のニヘラニヘラした顔から中盤から顔つきも変ってきますし。誘拐される前に学校に行ってジェシカの子供保護しようとしたり、途中でバッテリー切れそうになったり、ジェシカの夫助けようと空港に向ったりと、次から次へとイベントが起きるのも飽きさせませんね。一歩間に合わず遅れを取るのも歯痒いながらもハラハラ感高めてくれます。携帯落として壊しちゃったときの絶望感はかなりの物。
主人公ジェシカを演じたキム・ベイシンガーも、必死で修理した電話技師に助けを求める事しかできず、焦燥に暮れる姿や犯人の脅しに泣き叫ぶ姿真に迫ってました。終盤では生物教師としての知識活かして犯人倒したりと奮闘もしてましたね。
犯罪グループのリーダー役で今となっては珍しいジェイソン・ステイサムの冷酷な悪役演技見る事が出来ます。流石の存在感と迫力ですね。格闘アクションがちょっとしか見れないのは残念でした。後、吹き替えが山路さんじゃないのも残念。
ウィリアム・H・メイシーが警官引退して妻とスパ店開こうと考えてる巡査部長ムーニー演じてますが、最初こそしょぼくれたおっさんて感じ出しながらも警官としての勘から事件に巻き込まれ、クライマックスでは格闘戦や横っ飛びの銃撃なども見せてくれるかなりおいしい役所でしたね。
ライアンがハイウェイで逆走して起こる玉突き事故シーンや、特に意味なく乗って来た警備の車にミキサー車が突っ込んで爆発するシーンは「デッドコースター」の監督らしいなと思いました。あちらほどド派手ではないけど。後、悪党たちがアジトで見てるテレビが「デッドコースター」でしたね(笑)
クライマックスでのボートハウスでの対決も、携帯を活かした決着が見事でしたね。その後のジェシカ達を乗せた車の運転手ボコる所もスッキリ爽快でした。ラストのジェシカとライアンの会話も良かったですね。
エンドロールも携帯活かした演出になっていて楽しいですね。
ツッコミ所も結構ありますが、テンポよく次から次へと飽きさせない展開や演出盛り込んで最後まで楽しめる娯楽作でした。
