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江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間のtakatoのレビュー・感想・評価

4.1
日本初のカルト映画と言えば本作なので視聴。どんなに凄い作品なのかと思ったら意外と軽い感じ。ギャグなシーンもあるし、たった100分ほどの作品。

 横溝さんらしい、本格じゃなくてあくまで猟奇趣味といった感じで、トリック解説のところとかあまり重要じゃない。あくまで異形な世界を描くほうが目的。でも、「ドグラ・マグラ」みたいな恐るべき構成だったり、京極さんのような奇怪の美があったりするのではなく、あくまでそういう感じを提示する程度って感じ。だから戦慄する恐怖も、謎に対する興味津々という感もない。面白いイメージが点々と映るといったぐらい。

 有名なラストも、二人の禁断の愛という禁忌感あんまりないから、正直唐突な印象。花火に「お母さん~!」がかぶるだけで良かろうに、なんでちゃちい人形な生首や手足を飛ばしちゃったのか?。そしてなにより田舎の資産家の財産をめぐるという基本設定、横溝さんどんだけこのパターン好きやねん!と思わずツッコミ入れてしまった。「犬神」も「八つ墓村」も同じだったやんけ!。

 しかし、やたら長く感じた先の作品たちよりサクッと見れるし、他では見られないイメージは一見の価値あった。
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