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犯罪都市 NO WAY OUTのtakatoのレビュー・感想・評価

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)
3.9
 「マ映画」レース単独首位にして唯一無二の選手なマ・ドンソクの映画と聞いては走って見に行かざるをえない!。結果、日本人だけどコレヤクザ要らなくね?という結論に達しました。マクガイヤー氏も指摘してたけど、このシリーズの面白さを制作側が見失っているような。


 日本ヤクザの要素が正直木に竹を接ぐ感じで、無駄に事態をややこしくしてるだけだったように思えました。あと、日本人なのに日本俳優たちの台詞が聞き取りづらい…。


 日本映画界は、「自然」というかカジュアルな演技が普通になってるせいか、ハッキリガツンと格好良かったり恐ろしかったりする発声が充分できてないように思えた。韓国側は字幕や吹き替え(マ・ドンソクは小山力也さんで良し!)で見るから台詞の聞き取りが〜って心配はないけど。國村さんも「コクソン」の時みたいに無表情で喋んない方が遥かに怖い。


 全体的には藤原竜也に似てる汚職刑事さんをメインにして、マ・ドンソクに追われる上に、日本のヤクザや中国の組織にもグイグイ吊し上げられる小悪党の悲喜劇として絞って描いた方が良かったかも。役者さんも一見大人しそうな小物っぽいやつの方が、このポジションのキャラとしては映えたかもしれん。


 相変わらずというかコミカルなシーンがとにかく良いし、格闘もマ・ドンソクがタイソンばりのピーカブースタイルになってたりと見どころはあったけど、少しとっ散らかった印象でした。気楽なエンタメとしては充分ですが過去の名作たちや、今やってる「梟」みたいな傑作に比べちゃうとねぇ…。まぁまだまだ先はありそうなシリーズなので次はもっと要素を絞ってタイトに描いて欲しいです。
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