ちろる

悲愁物語のちろるのレビュー・感想・評価

悲愁物語(1977年製作の映画)
3.9
狂気は伝染する。
そして頂点からの転落は一瞬なんだ。
黒い家の大竹しのぶ、冷たい熱帯魚のでんでんなど、沢山の映画のモンスターがいるけど、この江波杏子もモンスターコレクションに堂々と入隊。
鈴木清順監督は浪漫三部作しか鑑賞したことがなくあの世界観がたまらなく好きだけど、この70年代現代劇特有のアバンギャルドさには、はたまた全く違う魅力を感じる。
プロゴルファーアイドルを育てる青春ストーリーかとタカを括っていた・・・
トントン拍子にヒロインは成功していきアイドル並み人気で一挙にセレブリティの仲間入りを果たすのだが、物語が全く違う方向転換をして全てを破壊していく様。
狂っててお見事。
ヒロイン役の白木さんはすごい美人ではないけどなんだか魅力的なのとバストがとても美しくて顔も色気ある。
初主演で惜しげもなくヌードを見せるこの時代の女優さんの大らかさは、私女だけど惚れてしまいますし、原田芳雄さんのの1人でハードボイルドぶってる感じも最後までじわります。
岡田真澄さんは嘘みたいに足長いしキャラがとにかくみんな濃いけど、この不協和音がこの作品をさらに強烈にして忘れられなくさせるんだろう。
なかなか初めは飲み込みづらいけど、飲んだらクセになる70年代の世界、恐るべし。
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