PARADISO

別離のPARADISOのレビュー・感想・評価

別離(2011年製作の映画)
4.9
2012年3月30日 「映画の天才」試写会にて劇場鑑賞。

結論から言うと僕の中で、本年度の劇場鑑賞作品ベストテンに確実に入る(それも三位位内)傑作。
普遍的なテーマをシンプルに描いているのに、心を捉えたまま離さない。
こんなにも一心不乱に観続けた作品はちょっと記憶に無い。

物語の軸となる、対立する事になる二組の夫婦(4人の男女)が抱える現実問題に対し、吐かざるを得ない”嘘”と
秘められた”真実”。
物語が進み、一つ、また一つと”真実”が見えてきた時、この罪深き4人の男女全員に”嫌悪”、”憐憫”、”同情”の感情が満遍なく湧いて来る。
この秀逸な演出には唸らされた。

愛する家庭を繋ぎ止める為に吐いた”嘘”が逆に家族の離散の危機を迎えるという皮肉。
主人公夫婦の愛娘の直向きな眼差しと、夫の老いた父親の虚ろな眼差しが物語の持つ切なさを更に際立たせる。
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