汚れた乳

狼は天使の匂いの汚れた乳のレビュー・感想・評価

狼は天使の匂い(1972年製作の映画)
4.0
映画は寂れた駅から始まる。
流れ着いたトランティニャンを亡き者にしようと待ちかまえてるロマの男たち。この冒頭はそう、完全に『ウエスタン』だ。
アバンとラストの幼少時代の挿入といい(『ワンス・アポン~アメリカ』)レオーネを想起させる。
音楽はフランシス・レイだがどことなくモリコーネっぽいし、レア・マッセリはイタリア人でどことなくクラウディア・カルディナーレに似てるように思える。
はたして哀愁漂うエモエモな作品に仕上がっている本作であるが、大仕事の前にロバート・ライアンがトランティニャンとウッドデッキで語らう場面で風が吹いて木々が揺れる音が長めに挿入されるんだけど、これがまるで泣いてるように聴こえるのね。もちろんこれは物語の行く末を暗に示してるわけだが、その演出力に感心した。

また作品の性格上仕方ない事だが、大仕事の準備段階が描かれないのは少し寂しい。
汚れた乳

汚れた乳