貝

愛情萬歳の貝のレビュー・感想・評価

愛情萬歳(1994年製作の映画)
4.0
始まってからの15分くらい誰も喋らない。3人合計してもきっと口が動いてる時間は全体の半分もない。孤独について、寄り添うことも突き放すこともなく描かれてる。

生きる為に働いて帰る家もなくたいして親しい友達もいなくて寂しくなったら適当な相手とセックスして、人は結局誰かといてもひとりだということはなんかわかってて、じゃあひとりでいい、ひとりでいるのは楽だけど、なんにも満たされない。どう見ても彼らに足りないのが愛情だと、彼らがひとりで過ごす時間をこれでもかと見せつけられて、そのどこかに自分を重ねて、私に足りないものが愛情だと残酷なくらい突きつけてくるな。誰もが抱える孤独の正体を暴かれるような作品。わかってるからこそ最後は泣かないで欲しかった。
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