Eike

トライアングルのEikeのレビュー・感想・評価

トライアングル(2009年製作の映画)
3.5
※本作は絶対に冒頭から見る必要がありますのでご注意下さい。
シリアスなB級タイムループホラーとして「拾いもの」の一本。

「ホラー映画には(物語)なんていらない。死体の数が多ければそれでOK」。
そういう方にはあまりお勧めできない作品ですがちょっと贔屓したくなりました。
それはオリジナルな物語を提示しようとする「本気」が感じられたこととジャンルムービー上等といった感のあるメリッサ・ジョージ嬢の熱演のおかげ。

ただし本作、中々に解説が難しい作品だ。
なぜかとその理由を述べるだけでもネタばれに繋がりかねないので困る。
したがって物語については書かないのがマナーかと。
ただ、意外にも本作は「ホラーではない」。
少なくともラストまで見た時そう感じてしまいました。

勘のいい方ならタイトルだけで物語の展開が読めてしまうかもしれません。
バーミューダ・トライアングル。
懐かしいですね~(「あなたの知らない世界」かよ)。
それでもちゃんと最後まで見れるのは、やはりムチャでデタラメではあってもちゃんとそこに「物語」があるから。

「ホラーではない」と印象を書きましたがホラーとしてのイメージはちゃんと揃えられております(それも、なかなかウマい見せ方で)。
何となく人が死なない作品みたいな書き方をしましたが実際は逆です。
劇中に出てくる死体の数は相当なもの。
しかもそれにもきちんとした「理由」があるのだ。

個人的にはそのホラーとしてのイメージ部分も楽しめました。
その「理由」についても最後まで関心は途切れませんでした。
ただねぇ、このヒロインの置かれている境遇(これが物語の「理由」なのですが)がねぇ…。
かなり辛く苦い後味なのでその点に関しては相性があるでしょうね。
本作の舞台はアメリカ、フロリダのマイアミとなっていますが実際の撮影はオーストラリアのクィーンズランドで、本作は英国映画。
このシリアスなアプローチはそれが影響しているのでしょうね。
そして本作に関して言えばそれが正解だったと言いう気がいたします。
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