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戦艦ポチョムキンのBONのレビュー・感想・評価

戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)
3.5
第一次ロシア革命、“ポチョムキン号の反乱”事件をテーマに製作した第5幕から成り、今でこそ当たり前となったモンタージュ撮影技法を確立した歴史的名作。

先週末に駆け込みで20世紀を代表する画家フランシス・ベーコン展を見に行った際に、死の直前までひそかに手元に残していた初期絵画作品や素描、資料など約130点のコレクションの中で、乳母の顔がクローズアップされた写真へのドローイングが1番印象に残った。

彼は日常的に映画を好んで鑑賞していて、ゴダール、フリッツ・ラング、ブニュエル、アラン・レネ、ニコラス・ローグに惜しみない称賛を送っていたと知り、特にこの作品は何度も観ていたとのことだったので鑑賞した。

憲兵によって撃たれた母親の手を離れた乳母車がオデッサの階段を落ちていく「映画史上最も有名な6分間」なシーンはあまりにも強烈。

大虐殺シーンでは脚が欠損した男、乳母の勇敢さ、赤子を守る母親、赤子が乗ったまま滑り落ちる乳母車など、逃げようとする人間達のが階段の上で溢れ返り、大混乱とダイナミックさに約100年経った今観てもえぐられる。
 
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