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ティファニーで朝食をのSIのレビュー・感想・評価

ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)
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2018.1.10
自宅TVにて鑑賞

30歳手前という年齢のせいか、事前に出来ないと漏らした娼婦という役柄のせいからか、「ローマの休日」で感じられたオードリーヘップバーンの愛くるしさといったものが全面に出た映画ではないものの、オープニングシーンでヘップバーンがタクシーから降り立ち、ティファニーのウインドウに向かって腰をわずかに揺らしながら歩いていく様は冒頭からやはり別格の気品を感じた。

劇中曲の「Moon River」は今も色褪せる事の無い名曲であり、その日暮らしをするヘップバーンの無常さと、ジョージペパードへの深い愛の両方を上手く調和させている。

プロットはラヴロマンス故に個人的には冗長に感じる点が多々あったが、ラストシーンのペパードの、
“You know what's wrong with you, Miss Whoever-You-Are? You're chicken, you've got no guts.You're afraid to stick out your chin and say,
"Okay, life's a fact, people do fall in love, people do belong to each other, because that's the only chance anybody's got for real happiness."
You call yourself a free spirit, a wild thing, and you're terrified somebody's going to stick you in a cage.Well, baby, you're already in that cage.You built it yourself.And it's not bounded in the west by Tulip, Texas, or in the east by Somaliland.
It's wherever you go. Because no matter where you run, you just end up running into yourself.”
という台詞に全てが救われた。
間違いなく映画史上一番かっこいいプロポーズである。

なお、ユニオシのキャラクター設定や映画での立ち位置設計の根底に日本人差別がある事は間違い無いが、その一点のみで映画全体の価値を貶めて捉えてしまっては、映画に関わったら他の全てのスタッフが浮かばれないだろう。

(余談だが、劇中に出てくるニューヨーク5番街のティファニーでは映画の影響を受け、昨年にブランド初となるダイニングスペースがオープンしたようだ)
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