風の旅人

ブルーバレンタインの風の旅人のレビュー・感想・評価

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)
4.0
「男は女よりロマンティストだ。
結婚する時は1人しか目に入らない。
“この女を逃したら俺はバカだ”と思う。
でも女は男を値踏みし、選り好みする。
結婚相手はいい職の男。
王子様を待ち続けるが、結局選ぶのは稼ぎのいい男さ」

過去のディーン(ライアン・ゴズリング)の台詞が示すように、二人は最初から破綻する運命だったのかもしれない。
しかし愛という幻想はそれを見えなくさせる。
現在と過去の両方で流れるPenny & the Quartersの「You and Me」、かつてはロマンティックに響いた同じ曲が、今では虚しく響く。
悲しいのは愛が終わることではない。
そうではなくて、愛が終わっても愛し合った事実(記憶)は残りつづけることだ。
ディーンが指輪を捨てた直後に、車から降りてそれを探す後ろ姿が切なかった。
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