とてもビターだけれど、大人の映画。いい映画だと思います。
映画の中で、綺麗ごとを言わない勇気を感じます。
子供がいながらだんだん気持が離れていくある夫婦を映画はじっと追います。そして同時に描かれるのは、この2人が出合い、愛しあい、結婚するまで。結婚はゴールではなく、スタートだったのです。
ディーン(ライアン・ゴズリング)は高校中退で、10歳の時母が家を出て、今は引越し業者で働いている。
シンディ(ミシェル・ウィリアムズ)は医者をめざして勉強している。
甘い2人、どんなことがあっても2人で乗り越えようとする愛しあう2人がいつの間にか、傷つけあい、気を使いあう仲になり修復不可能になりそうな予感をいつもはらんでいます。
この映画がすごいのは、ディーンとシンディがお互いの話を聞こうとせず、自分の言いたい事を言おうとするのを「(相手を無視して)同時に」がなりあう、というシーンが多い所です。
話している内容はお互い謝っているのに言い方で、それがいつも喧嘩腰。これはストレスたまるだろうな、という言い合いの息がぴったり合っているのです。
エグゼクティブプロデューサーにライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズが名を連ねているから、思わず実生活でも夫婦なのかと思ってしまったくらい、この映画の中の2人の夫婦感ってすごくリアル。
愛しあっているカップルと気持がすれちがってギスギスしている夫婦、本当にリアルで、誰もこうはなりたいと思わないのに、どうしようもないやるせなさ・・・恋愛の先の結婚にある「どうしようもないやるせなさ」を凝視した映画。
タイトルのBlue Valentine はトム・ウェイツのアルバムタイトルからだそうです。
ライアン・ゴズリングの実生活のパートナーはエヴァ・メンデスだったんですね。