Saki

自転車泥棒のSakiのレビュー・感想・評価

自転車泥棒(1948年製作の映画)
3.7
たった2日間のできごと。
彼らは自転車を通して「人生」を見た。

戦後のイタリア。
仕事を見つけるのも大変で、欲しいもののためには家にあるものを質屋にいれてまでお金を得なければいけなかった。
(シンプルライフの実現、ミニマリストになれるのでは、なんてポジティブな見解はこの映画からは微塵も感じなかったけど、私はそんな閃きがありました)

ようやく手に入れたその自転車は、やっと見つけた仕事の月給くらいで質屋から取り戻せたのだ。
みなさんは、貯金残高で1ヶ月暮らすのが苦しい状況下にある時に、月給ほどの価値のあるものor働くために必要なもの(パソコンとか車とか)が盗まれてしまったら、どう思いますか?
自分が所帯持ちであれば尚更、彼のように警察に届けを出し、必死に探し回りますよね。
そして、時にそうなってしまうのかもしれない。(ここは映画をご覧ください)

占い師のような人に頼った妻を軽視したのに、自分こそすがりにいってしまった。
ピンチが来たら本当に藁をも掴みたいよね。お気に入りシーンでした。

まぁ、なんて諸行無常なのだろうか。。
自転車にまつわる、起承転結と映画の流れがとても心地よく、虚しい。
人生もそんなもんなのかな、なんて黄昏た気分になるのだった。

ところであの自転車、カップルや夫婦が2人乗りするための良い設計だよね。

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