みんと

斬るのみんとのレビュー・感想・評価

斬る(1968年製作の映画)
4.1
岡本喜八監督作品を初鑑賞。
どれにしようか迷った挙句、きっとコレで正解?!

タイトル通り、斬って斬って斬りまくる映画と思いきや(まあ斬るけど笑)、まさかの喜劇色の濃い時代劇。そもそも「斬る」と言うセリフが度々登場する割に一向に斬らない感じはタイトルからしてとんちが効いてる。そして、マカロニ・ウエスタンを彷彿とさせるのは音楽のせいかな?

天保4年、荒れ果てた小さな村に腹を空かせてやって来た二人の浪人。一人は武士になりたい農民半次郎(高橋悦郎)もう一人は武士が嫌になり無宿者となった源太(仲代達矢)だった……。

藩の内紛に巻き込まれ、敵になったり味方になったり、若干ややこしさが気になるものの、2人の単純さあっけらかんさに自然に愛着が湧く。そもそも完全悪(鮎沢)以外は、ほぼ朗らかな人物揃いなのが楽しい。

掛け合い漫才のようなテンポ、ダイナミックな立ち回り、スピーディーな展開。あっという間に観終えた印象だけど、唯一篭城シーンは何処かもたついた印象だった。

今作でも仲代達矢の目ヂカラ、男気、飄々さ、素敵だった~
初めましての高橋悦郎もコミカルで無邪気でチャーミング。
東野英治郎のとぼけ具合も安定してる。笑
と言うか、いつもとぼけているようで地味に良いとこ持ってくような。

そんな中、愛する女房を救うため争いの先陣に立って行く組長の岸田森のニヒルさが効いてる。間違いなく他とは一線を引いた哀愁に満ちた素敵キャラだった。


まさにハードでユーモラスな痛快娯楽時代劇!
因みに英題も『KILL!』だとか。
みんと

みんと