おにぎり

ファッションが教えてくれることのおにぎりのレビュー・感想・評価

3.3
これは…
『プラダを着た悪魔』の元ネタです…?よね?
作品の事前情報を極力入れないで観るようにしているので、トンチンカンな事を言っていたらお許しを。違うとしても私の頭の中では、終始『プラダを着た悪魔』に重ねるように鑑賞していました。

アメリカ版『Vogue』の編集長アナのドキュメンタリー。
彼女の絶大な影響力と仕事ぶり。
解ったのは、彼女の仕事は選ぶことだということ。
様々なアーティストやスタッフが、膨大なお金と時間と技術をかけて創った洋服、写真、企画、モデル、、、『Vogue』に載せるあらゆるものにひたすらダメを出し、選択して世界に向かって発信する。雑誌が売れれば売れるほどデザイナーは有名になり、有名になったデザイナーの作品が載った『Vogue』は益々は売れる。『Vogue』に載せて貰いたいデザイナー達が彼女の色顔を見てお伺いを立てているのがよく分かる。さしずめファッションと雑誌界の女王のように見えた。

この作品で見る限り『Vogue』の内容は、隅々までアナ個人の「美」というフィルターを通過したものの集約だ。アナが毎日華やかな服を着、きちんとお化粧して直感的に仕事をしているのに対して、周りのブレイン、スタッフら実働部隊は、ほぼノーメイクで簡素なシャツひたすらアナの要望に答えんが為、眉間にしわを寄せ動き回っている。社内の彼女以外の全ての人間がOKと言っても、アナがダメと言ったらそれで終わり。それが出来るのは、彼女が編集した『Vogue』は絶対的に売れるからなのだろう。正に彼女が世界のファッションの火付け役なのだ。ただ、なぜアナ彼女でなくてはならないのかが、この作品では私には解らなかった。

デザイナーが無限の色の中から神経を削るようにして選択して創った洋服のコレクションの発表会で、真っ黒なサングラスをかけて見ている彼女に、微妙な色の違いは解るのだろうか。けれど「あんなのただのお祭りなのよ、私が出席する事に意味があるの」とアナに言われそうな気がする。
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