明石です

鮮血の美学の明石ですのレビュー・感想・評価

鮮血の美学(1972年製作の映画)
3.5
脱獄犯に娘をレイプ、殺害された両親が、復讐の鬼と化す話。「スクリーム」や「エルム街の悪夢」を生み出したウェスクレイヴン監督のデビュー作。

娘が殺されているとは知らず誕生日ケーキを用意して待つ幸せな家族の様子をあえて映したり、また警察の捜査がわざと裏目に出るよう演出したり、胸糞度はわりと高め(なはず)。ただ音楽の使い方がやたらコミカルなのと、娘を殺された両親からあまり憎しみが感じられないので、アダルト版「ホームアローン」といった感じの印象。

特にラスト後のクレジット画面では「コメディかよ」と心の中でツッコミたくなるほど陽気な映像と音楽が流れるし。試聴後の一番正直な感想は「何なんだこれは…」でした。

少女を誘拐するシーンで陽気な音楽を流したり、レイプシーンでロマンチックな音楽を流したり、監督はかなり趣味が悪いですなあ。また脱獄犯の一味が口ずさむ歌が「雨に唄えば」だったりと、前年に公開された「時計じかけのオレンジ」をかなり意識してそうな映画でした。

ただ独特すぎる音楽の使い方や、俳優さんの絶妙に上手じゃない演技のためか、物語にそこまでのめり込めませんでした。たとえば夫婦が娘を殺された知るシーンでは全然悲しみが伝わってこなかったし、何よりその後切り替え早すぎでは?と思った。全然嫌いではないんだけど、どハマりは出来ませんでした。

また奥さんが脱獄犯を誘惑して殺すシーンでも、犯人を目の前にしてるのにほとんど怒ってないようにさえ見えた。ただし脱獄犯クルーグのイカれ具合は最高。全然演技に見えなかった、、本当にサイコパス殺人鬼みたい。現実では絶対に会いたくないですね、こういう輩には笑。
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