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GOEMONのnobsangのレビュー・感想・評価

GOEMON(2008年製作の映画)
4.5
これは好みの分かれる映画でしょうね、ものすごくクセのある作品です。個人的には、大好き、です。

ストーリーと演出についてもかなり好みが分かれそうです。兎に角「漫画みたい」なんです、最初から最後まで。

日本史をオマージュしたおとぎ話、と捉えるべきだと思います。時代考証など気にするべきではない。漫画を読んでいると思ってください。
そもそも安土桃山時代にパンドラの箱という単語を持ってくるのが勇敢すぎるし…。
 
ビジュアルデザインではとにかく独特の世界観を描こうとしており、おとぎ話に没頭してほしい、という製作者の意図を強く感じる。
衣装デザイン、とにかく攻めまくっている。ここは中世ヨーロッパの風合いを強く感じる。そもそも信長の甲冑が騎士の鉄仮面だし。
城中の部屋は天井が高くレースのカーテンがかかっていたり、かと思えば廊下のデザインは明朝の中国を思わせるようなものだったりもする。
あと視覚的なところで言うと、シーンごとの色の演出が素晴らしい。光の色が各シーンで違うんですよね。
CGの出来について苦言を呈する人もいますが、アクションエンターテイメントを楽しむ上で、テンポよく場面を見る上では、特に見苦しくなるほどのものではありませんでした。
 
全体の中でアクションシーンがテンポよく配分されていること、ストーリーの山場がアクションシーンの後にしっかり起こること、サブキャラたちがきちんと自分の仕事をしていること、など、2時間の映画を全く飽きずに見ることができるデザイン、構造はすばらしいと思います。
 
キャストの個性も素晴らしい。大沢たかおさんかっこいい。要潤のキャラクターすごく立ってる。伊武雅刀さんはまり役すぎ。
女性キャストについては…これも好みが分かれそうだなぁ…

でも、個人的には、定期的に観返したい映画だし、強く人におすすめしたい映画です。エンタメを全力でやっている、これぞ、映画、と呼ぶにふさわしい一本です。
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