イチロヲ

放射能Xのイチロヲのレビュー・感想・評価

放射能X(1954年製作の映画)
3.5
ニューメキシコで発生した連続殺人事件を担当する捜査チームが、突如出現した巨大アリの巣から、女王アリが飛び立ったことを突き止める。50年代の冷戦下に製作された、ハリウッド産モンスター・パニック。

「放射能の影響により突然変異体が誕生する」系統の物語。アメリカが非常事態に見舞われていく過程が精緻に描かれており、至極真っ当な恐怖映画として仕上がっている。巨大アリが発するキュピキュピという音が印象的。

パニック映画の定石通り、アリの生態に詳しい博士が登場。そして、博士の娘がヒロインの立場となるのだが、脆弱な女性像ではなく、男勝りの頼もしい存在になっている。核実験に関して、取って付けたような教訓を述べるところも素晴らしい。

作り物の性質上、巨大アリがアグレッシブに動きまわることはしないが、戦闘の逼迫状態を味わうことが可能。なお、筆者がビデオゲーム「地球防衛軍」を初プレイしたとき、真っ先に思い浮かべたのが本作だったりする。
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