放射能Xの作品情報・感想・評価

「放射能X」に投稿された感想・評価

「核実験の影響で巨大化した蟻の群体と人間との戦い」という筋書きのどストレートなモンスター映画。
ありがちな筋書きの映画ではあるが、終始手堅く丁寧な演出が光る。この手の映画の模範となるべき完成度の作品(実際に『エイリアン2』は本作を踏襲しているように見える)。

巨大アリが登場するまでの、警察官による失踪事件の捜査パートからして演出が丁寧極まりない。警察官たちが、「them」への恐怖から声を失った少女を発見する導入部からして引き込まれる。
一つ一つ状況証拠を少しづつ提示しておいてからの巨大アリの登場(実物大プロップによる迫力が光る)。あらゆるモンスター映画が見習うべき描写の積み重ねだと思った。

中盤を過ぎてからの物語のスケールの広げ方もうまい。生物としての蟻の特性を踏まえての展開の広げ方がとても自然。
薄暗い雨水溝での子供の救出劇のくだりなんかロケーションが素晴らしいこともあってワクワクさせられっぱなしだった。

総じて、「実際に巨大蟻が発生したらどうなるか?」というシミュレーションがとても上手くなされている。作り手の絵空事に対する真剣さが垣間見えるジャンル映画。
その意味で同年に作られた『ゴジラ』と同じ類の映画でもある(ラストシーンも同じだし)。
50年代の映画の割にヒロインが積極的なところも良かった。
イワシ

イワシの感想・評価

3.8
物語が展開するにつれ否応にも興奮が増していくというほんとうに優れたシナリオ。老人が経営する無人になった商店を捉えた一連のショットは西部劇としても通用しそうでとてもよかった。
人間以外ではアリだけが戦争をします!


ゴードン・ダグラス監督 1954年製作
主演ジェームズ・ホイットモア


のっけからネタバレ的な話になりますが、「アントマン&ワスプ」はご覧になりました?
観てない方はご参考までに。まぁ、このレビュー読んだからと言って、大した影響はありませんので……



ラストにミニチュア化された車に乗って、スコットとキャシーが、カーシアター形式で映画を観てたでしょ?覚えてます?
あれ、何観てるんだって気になりませんでした?
僕はめっちゃ気になりました( ¯−¯ )フッ
でも、確実に観たことないやつでした。

それが今作「放射能X」なんです!
なんと、アリ映画でした\(^o^)/
パンフレット買ったら作品名が載っていて、どうしても観たくてポチりました( ̄^ ̄ゞ
で、震災前に注文していたやつが今日届いたんです。
こんな時に本当に申し訳なく思いましたよ(>_<)
感謝の気持ちをもって鑑賞しました( •̀ω•́ )و✧



これは1954年製作のいわゆるモンスター映画です。
場所はニューメキシコ州。
パトロール中の保安官が砂漠を放心状態で歩いている少女を保護。
辺りを捜索していると、他にも不振な死体が……。
いったい何ものの仕業か……?
という展開ですね。


実は、放射能実験により突然変異を起こし、巨大化したアリが出る作品です。
これって、初代「ゴジラ」と同じ年に、アメリカで作られたモンスター映画なんですね。

ラストは核兵器批判で終わりました( ˘ ˘ )ウンウン
つまり、アメリカが作った反核映画です。
重さは「ゴジラ」とは比べ物になりませんが……。


でも、この手の作品が好きなのもありますが、サスペンス調で、なかなかに面白かったですねぇ。
あと、白黒なのが雰囲気が出て、やはり良い。

アリは実物大で作られ、ライブ操作されました。
今から70年も前の作品としては、特撮もかなり良いです。アカデミー賞にもノミネート。
まぁ、円谷特撮には敵いませんが( ˘ ˘ )ウンウン




舞台は大きく2ヶ所です。
最初はニューメキシコ州の砂漠地帯。
もう1ヶ所はロサンゼルスの地下下水道です。
どちらもアリの巣を張り巡らせて行くので、そこを進むのは怖いですよね。

放心している少女が「Them! (ヤツらよ~)」と叫ぶシーンは素晴らしいです。タイトルの由来ですね。

ただ、展開はこの手の映画にありがちで、ちょっとご都合主義かも。まぁ、そこはご容赦を( ¯−¯ )フッ



巨大なアリの巣を探るシーンがいいよねぇ。
これ、まるで「エイリアン」だなぁ。
そう言えば、アリの卵を燃やすシーンは「エイリアン2」でリプリーがエイリアンの卵を燃やすシーンに構図がそっくりね。
そもそも生き残った人形を抱いた女の子って……。


途中にアリの生態を語るシーンがあるんですが、これがめちゃくちゃ凄くって(ㅇㅁㅇ)!!!!!!!

・5000万年姿を変えていない
・自分の体重の20倍の物を持てる
・人間のサイズなら1トン以上
・敵は強力なあごで噛み砕く
・72時間闘い続ける兵隊アリ
・雄はすぐ死ぬが、女王アリは長寿
・女王アリは1回の交尾で、15年~17年産卵し続ける
・侵略を繰り返し、捕虜は奴隷として使う
・人間以外ではアリだけが戦争を行う

いやいや、アリ最強ですよね。
そう言えば「HUNTER × HUNTER」のキメラアント編もめっちゃ怖かったですよね!
とにかく王が強すぎて!
アリが人間と同じサイズなら、それは本当に脅威。
小さくて良かった( ˘ ˘ )ウンウン



ヒロインのジョーン・ウェルドンって、この映画で知られている女優らしいですね。クールビューティな感じでした。

そう言えば、「アントマン」もアリ博士のピム博士←アリハカセデハナイ、と娘のホープの設定。最初に出てきた時のホープは、ボブのクールビューティでしたから、今作と似てますね!

お父さんのメドフォード博士を演じるエドモンド・グウェンはイギリス出身の俳優で、「三十四丁目の奇跡」ではサンタクロース役を演じてアカデミー賞助演男優賞を取った方ですね。



特撮好きなら観て損なしです( •̀ω•́ )و✧
あとは「アントマン&ワスプ」のネタとして、スコットとキャシーの気分を味わう目的で、アリが好きだから……、そんな方、よろしければどうぞ!
購入したDVDで鑑賞。

【あらすじ】
ニューメキシコ州で怪事件発生。捜査に当たった保安官のベンは放心状態の少女を保護する。しかし彼女の家族は既に「THEM(奴ら)」に襲われていた…。

 個人的に一番好きな映画! 初めて観た時は感動で涙が溢れた。今でも度々見返しては感慨にふけている。この映画は怪獣映画の古典であり、その基礎を作った偉大な作品であると確信している。僕の知る限りでは、この作品において世界で初めて「怪獣」が登場したと思う。
 …それは少し言い過ぎたかもしれない。ただ、今までの映画とは一線を画することは間違いない。それまでのモンスター映画は、『キングコング』(1933)や『原子怪獣現わる』(1953)など、何らかの理由で人類の前に姿を現した「太古の生物(主に恐竜)」が題材であった。ほぼ全てのモンスターが「生きた化石」と言い換えることが可能な古代動物である。それに対して、『放射能X』には人知を超える進化を遂げた生物が登場した。生物史上類を見ない「怪獣」の誕生である。怪獣映画の歴史はここから大きく変化することとなるのだ。
 史上初の怪獣映画であることから、この映画の作りは非常に丁寧である。中でも怪獣出現までの展開は秀逸だ。ニューメキシコ州の砂漠で何かを探す警察の様子から物語が始まり、次に砂漠を彷徨う少女が現れる。ここで観客は警察が少女を探していたことが分かる。それと同時に注意深く見てみると、少女の持つ人形の頭部が欠けているのにも気づくはずだ。なぜ欠けているのかは次の場面を観れば分かるようになっている。このようにパズルを組み立てるが如く、一つ一つの謎を解明して犯人(怪獣)出現まで繋げている。推理パートの時間は映画の約1/3を占める28分。長さも絶妙だ。この導入部分は『空の大怪獣ラドン』(1956)や『エイリアン2』(1986)でも参考に使われている。
 さらに人類との攻防戦も実に見事である。専門家の意見を踏まえて慎重に捜査を続ける。少しずつだが着実に敵を追い詰めて、最後は都市部での戦闘だ。米国陸軍や海兵隊を動員した総攻撃は圧巻であり、『シン・ゴジラ』(2016)も顔負けのリアリティさだろう。登場人物が全員有能なのも『シン・ゴジラ』に似ている。もしかしたら何らかの影響があったのかもしれない。もはやほぼ全ての怪獣映画が『放射能X』の影響を受けたと言っても過言では無い。凄いぞ『放射能X』!
 だが、これほどまでに優れた作品であるにも関わらず、現在の知名度は低い。やはり怪獣がデカいだけの蟻だからだろうか…。だがしかし! 蟻を侮ることなかれ! 全長が2m70cmもあれば人なんて簡単に倒せるのだ。それに何度も言うが、この映画は怪獣映画の歴史を変えたのだ。『放射能X』万歳! 蟻映画万歳!これこそ後世に語り継ぐべき珠玉の映画である。
茶一郎

茶一郎の感想・評価

3.7
 『スターシップ・トゥルーパーズ』、『エイリアン2』の原点に出会える今作『放射能X』。
 唯一の生存者はショックにより言葉を失った少女一人という、謎の惨殺事件が発生。冒頭、少女の茫然とした顔で始まるミステリーの展開から、パッケージでお分かりの通り、事件の犯人は何と「どうしてそんなに大きくなっちゃったんですか〜?」な核実験により巨大化したアリさんでした。
  
 その後の昆虫博士の登場という『ゴジラ』的、今となっては王道怪獣の展開ですが、この『放射能X』は『ゴジラ』(1954)同年の作品です。
 アメリカ兵と巨大アリさん巣穴での対決!実物大の巨大化アリを使った撮影は今見ても遜色の無いものでした。
 何よりも、ラストに漂う終末感・黙示録的イメージは、2018年の『ジュラシック・ワールド 炎の王国』にも通じていた、モンスター映画における最高の終幕です。
ニューメキシコで起こった連続殺人事件を担当する捜査チームが、突如出現した巨大アリの巣から、女王アリが飛び立ったことを突き止める。50年代の冷戦下に製作された、ハリウッド産モンスター・パニック。

「放射能の影響により突然変異体が誕生する」系統の物語。アメリカが非常事態に見舞われていく過程が精緻に描かれており、至極真っ当な恐怖映画として仕上がっている。巨大アリのキュピキュピという音が印象的だが、虫の鳴き声を加工したものだろうか?

他のパニック映画と同様に、アリの生態に詳しい博士が助っ人として登場。その博士の娘がヒロインの立ち位置だが、可憐で脆弱な女性像ではなく、男勝りの頼もしい存在なのが面白い。そして核実験に関して、取ってつけたような教訓を述べるところも清々しい。

作り物の性質上、巨大アリがアグレッシヴに動きまわることはないが、戦闘の興奮はそれなりに味わうことが可能。ちなみに私がプレステ2「地球防衛軍」を初プレイしたとき、真っ先に思い浮かべたのが本作だったりする(当時はタイトルが思い出せなかった)。
「ゴジラ」と同じく1954年の映画で、核実験に対するメッセージが込められた作品です
蟻がとにかく気持ち悪い!デカい!あんなのが実在したらひとたまりもない…😇
ゴジラと同じ年に作られた作品。
この作品も怪獣映画の1つのテンプレートを見事に作り上げたなぁという印象。
特に前半の女の子を使ったホラー描写は見事でした。
他の作品よりよりシリアスさ重視で作られていて、当時のモンスター映画では定番だったラブロマンスシーンが薄目なのも印象的でした。
しゅん

しゅんの感想・評価

3.5
<放射能により巨大な蟻が誕生。保安官のベンは学者らと協力して殲滅を誓うホラー映画>

蟻研究会。
次々人が殺される映画ではなく丁寧に対応する様が作られてる。
どうしても分析、説明が長くなるからアクションもあるけど地味な印象。
モノクロ映画だけど冒頭に出るタイトルだけカラー。

やはりメインは甲高い鳴き声を発しながら襲ってくる巨大な蟻、なんだけど常に人類が優位に立ってて緊張感はなかった。蟻は巨大化しても蟻か。
それでも会話の多い(蟻の生態説明長い)前半を抜けた後の掃討作戦は蟻の驚異を感じられた。

『ゴジラ』と同年公開なのは興味深い。
巨大アリと人間の戦いを描いたパニックモンスター映画。

奇しくも初代ゴジラと同年に製作されたこの白黒映画作品。
核実験による突然変異、キュルキュルと高い周波数で鳴く声、ゆさゆさ横に揺れながら前に進む円谷的特撮感に満ち満ちた怪物の挙動はすごく好感が持てる。
しかもテンポの遅さ、動きの緩さから脱力感のあるかわいさすら出ている気がする。

ただ本作の巨大アリの方がゴジラに比べるとだいぶ小柄なぶん倒しやすく、その代わり繁殖力に長けているという特性を持つ。

そのため、どうしようもない驚異と立ち向かう人々ではなく
「巨大アリの巣を見つけて駆逐しよう!特に女王アリは念入りに!」
という目的意識がなんだか童心に返してくれた。

幼少期、公園のアリを駆逐すべく洗剤を溶かした水を巣に流し、水責めにして遊んでいた時を思い出した。

本作はそんな残虐な人間たちを報復するアリ達の生涯を追ったドキュメントなのである(適当)
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