午後

監獄ロックの午後のレビュー・感想・評価

監獄ロック(1957年製作の映画)
3.6
エルヴィス・プレスリーのアイドル映画といってしまえばそれまでなんだけど、エルヴィスは僕にとってのアイドルだから問題ない。やっぱり50年代アメリカのセックスシンボルの名は伊達じゃない。
映画はエルヴィスが給料をもらうシーンから始まるんだけど(トラクターに乗って現れる!)、もらったお金を何に使うかと聞かれて、「女たちをベッドで踊らせる」なんて答える。そして5分後には監獄にぶち込まれてる。そこから喧嘩っ早くて短気で怖いもの知らずのエルヴィスが、音楽でのし上がっていくお話。肝が座ってるようなちょっと眠そうな目とか、半開きな口とか、やたら強気な態度とか、とにかくセクシー。
「あんたなんて嫌いよ!」と言われて、「嫌いになんか…させないぜ!」と情熱的なキスをするシーン、笑っちゃうけどシビれるね。
エルヴィスが歌うシーンは熱さと華やかさがみなぎっていて、特にタイトルにもなっている監獄ロックのシーンのエネルギー量はすごい。はじけるようなスネアの音とか、キレキレのダンスとか、とにかくよかった。ギターはあんまり得意じゃなくて、ギターを捨てて歌に専念した途端にグンと良くなるシーンもドラマチックだ。
たいしたことないストーリーだけど、演奏シーンは本当に良い。音楽の興奮とか、歌うことの喜びとかがバッチリ伝わってくる。特にラスト。
ハンクの偏屈ではあるけど当たってるような人生哲学とか、ペギーのいい女っぷりとか、脇役のキャラも立ってて良い。
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