住み込みの家庭教師として雇用された女性が、不思議な雰囲気を醸し出している兄妹と過去に発生した変死事件の関係性を探っていく。ヘンリー・ジェイムズ著「ねじの回転」を映像化している、イギリスのホラー映画。
敬虔なキリスト教徒の女性を主人公に据えて、「如何にして人間は恐怖するのか？」に関する心的動揺を綴っている作品。主人公がヒューマン・エラーを起こしていく過程が見どころであり、「神と悪魔の表裏性」が痛烈に描かれている。
兄妹の言動が浮世離れしており、主人公を追い込む気満々の狂言回しとして、あらかじめ用意されている存在にしか見えない。だが、少年少女の不明瞭かつ打算的な言動に大人が翻弄される感覚は、フィクションでは収まらないものがある。
主人公が屋敷内の断片的な情報を脳内で自分勝手に整理して、自身の思想に則ったかたちで因果関係を拵えてしまう。筆者がオカルト・ホラーに傾倒する理由が、本作の中に凝縮されている。
