やすお

ロスト・ワールド/ジュラシック・パークのやすおのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

本作は、前作ほどの新鮮さはないものの、スリルと興奮に満ちた作品だった。スピルバーグらしい緊張感あふれる展開に引き込まれ、次々と訪れる危機から目が離せなかった。

特に、ニューヨークの街中でT-REXが吠えるシーンや、「庭に恐竜がいるよ」と話す子どもの一言が印象的だった。現実的な都市空間と非日常的な恐竜の存在が交わるそのアンバランスさは、不協和音のような感覚を生む。同時に、恐竜という非日常が現実の生活に侵食していく様子がリアルで、観る者に強烈なインパクトを与える。

また、T-REXが街を暴れ回る姿には、どこかゴジラを思わせるものがあった。原子力を象徴するゴジラのように、恐竜もまた人間の技術や驕りが生んだ「制御不能な力」を映し出しているように感じられる。その姿が現代社会の風景と交わることで、自然と人間の関係が持つ不安定さが際立ち、この物語に独特の奥行きを与えているように感じた。
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