けまろう

海辺のポーリーヌのけまろうのネタバレレビュー・内容・結末

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

『海辺のポーリーヌ』鑑賞。海辺の別荘で過ごす、恋多き女マリオンと理想化された処女ポーリーヌの話。女たらしのアンリやメンヘラピエール、理想化された童貞のシルヴァンなど、何人かの男がそれぞれの恋愛観を持ってふたりにアプローチしていく。監督の喜劇と格言シリーズのひとつで、引用される格言は「言葉多き者は災いの元」というもの。実際に、作中におけるキャンディガールと寝たのは誰かという問題では、実際に浮気をしたアンリではなく口数の多いピエールが責められる結果になってしまう。知ると傷つく人がいる悪事に関しては、黙秘しておくのが美徳という考え方なのだろうか。しかし、キャンディガール問題で最初に嫌疑をかけられたシルヴァンは、寧ろ黙っていたことをポーリーヌに批難される。沈黙が金というのは無垢な少女には必ずしも当てはまらない、ずる賢い大人たちの格言なのだ。そういう意味でも、ポーリーヌは理想的な無垢さを持った恋を知らぬ少女たり得るのだ。
ラストシーンで冒頭と類似のカットになってエンディングを迎えるのは非常にスマートで流石。
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