「もう大丈夫だ」
離婚して、マンハッタンのど真ん中にある家を買った母と娘。金持ちが住んでいたというその家には、パニックルームと呼ばれる無欠のセキュリティ部屋を備えていたのだが、引越し当日に強盗に入られる話。
ジョディ・フォスターとクリステン・スチュワートの組み合わせの破壊力がすごい映画。強盗側には、金は欲しいが良心は残したがる男としてフォレスト・ウィテカー、短絡的で思慮の浅い男にジャレッド・レト。トラブルメイキング禿げとしてドワイト・ヨーカム。このスキーマスク野郎がまさかグラミー賞もとってるカントリー歌手だなんて想像だにしないよね。
眠る母の後ろに影、言い争ってて旦那の陰、ハンマーでぶん殴って階下に落とすとか総合的に結構良いシーンも多いしスリルもあるんだけど、完璧主義のデヴィット・フィンチャーらしからぬ演出が多い印象。
カメラワークもスムーズで面白い時もある一方で、流れるように配線に入り込むようなのとか多用されててちょっと違和感を覚える。ガイ・リッチーじみてる。気にしなくてもいいんだけど。
眠る母の後ろに影、言い争ってて旦那の陰、この2シーンがいちばん画として良かったな。不意をつく緊張感というか。
デヴィット・フィンチャーにはやっぱり「え……」って苦い後味を植え付けて欲しいのだ。