ぽん

慕情のぽんのネタバレレビュー・内容・結末

慕情(1955年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

悲恋と名曲、これぞハリウッド映画という感じのメロメロメロドラマでした。
第二次世界大戦直後の香港が舞台。ヒロインは中国人とイギリス人のハーフ。恋人のジャーナリストは朝鮮戦争勃発により従軍記者として戦地へ赴く。

男と女が恋に落ちるだけの話なんだけど(言い方)、彼らを取り巻く状況がドラマチックなので盛り上がります。
英領香港という地で、統治する側とされる側の血をひいているヒロイン。彼女は分断を乗り越えた存在だ。そして彼女が愛した男は、戦争という分断によって命を落とす。

愛は分断を乗り越えられるか?がテーマだとすれば、本作はLove Conquers All(愛はすべてに打ち勝つ)を高らかに宣言している訳ですね。と同時に、人間は愚かなので分断を生み出すことを止められないという皮肉な現実も描いている。

2人が愛し合った日々は何ものにも代えがたい幸福で、こんな素晴らしい経験ができない人生の方が悲劇だと言いきってしまう2人。リア充の傲慢な理屈なのに結局はウットリ涙目で受け止めてしまったよ。
ジェニファー・ジョーンズのチャイナドレス。イケボなウィリアム・ホールデン。あの丘。手を振る2人。嗚呼、これが映画の夢です。ついでにインチキ占い師のオヤジも好きだ。虫占いテキトーすぎるだろ。
ぽん

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