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容疑者Xの献身のrojoのネタバレレビュー・内容・結末

容疑者Xの献身(2008年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

石神の慟哭は、あそこは解釈が別れる場所だと思っていて、
全ての解釈が正しいし、私も色んな感情が綯い交ぜになったとこだと思うけど、あまり見なかった解釈で↓こういう風にも思った。
何の関係もない人を殺してしまったという取り返しのつかない罪の重さと、罪悪感と、i(愛)のためならできた献身も、花岡さんが償いをしにきたことで献身が成り立たなくなってしまって、ただ何もかも忘れて幸せになってほしいということも遂行されなくて、献身が成り立たなくなったことによって牢に入る恐怖とかも全て噴き出してしまったものだと思う。

でも、石神さんを忘れて幸せになれるような親子だったら、石神さんは最初から救われていなかったんだよな。

石神さんのことを、湯川先生の友愛は救えなかったんだなって思うけど、頻繁に連絡とってないし住所教えてないしそういう友達ではないし、石神さんはあの職場環境と介護のことで周りが見えなくなるぐらいだっただろうし、首吊りのタイミングでインターホンが鳴らされたっていうタイミングも愛に出会うひとつの偶然だったんだろうな。

石神との花岡親子の今までの触れ合いから、あの状況はゴキブリ殺した程度じゃないだろってわかってしまうのが辛い。

ホームレスを殺すことが、論理的って、倫理無くしたら論理的かもだけど、
愛と献身によって倫理を無視できているから、その時点で石神の方程式は論理的じゃないよ……。
石神のあれは献身だけど、一方的な自慰行為で(それは最後には否定されるけど)、ホームレスを殺している取り返しのつかない犠牲を出している時点で全く綺麗なものではないって認識
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