このレビューはネタバレを含みます
米兵が硫黄島戦で摺鉢山を占拠した際に掲げた旗と一緒に撮った写真を巡って
硫黄島と本作を観て感じたのは当然と言えばそれまでだけど、国力の違い、戦争と国民の関わり方の違いだった
日本は戦費を国民から搾取する手段を選んだりはしない
アメリカも戦時中の生活はある程度の犠牲は強いられたかもしれないが、戦費を国民から強制剥奪などという手段は使っていない
日本では戦争末期、庶民の食べ物は殆どなかったと思わられるが、比較するとアメリカ庶民が食べ物に困ることはなかったし、娯楽もあったし、着るものにも困らなかっと思われる
今更だけど、これだけ国力の違う相手に戦争を仕掛けた事実は色んな意味ですごい
硫黄島に比べると戦闘シーンが大迫力で時間もかなり割かれている
写真の中の1人に衛生兵なるものがいるが、日本軍にはいたのか？硫黄島には登場しない
戦争は終わった後も色々な爪痕を残し生存できた人間をも苦しめ続けるが、本作ではたまたま写真に写ったことで戦争英雄と祭り上げらた者の苦悩、戦死した息子を写真に写っていることで何とかアイデンティティを保とうとする母親、写真には写っているがその人種故に差別される者、多様な立場の人間の苦悩をもってアメリカの問題点が描かれている
イーストウッド作品は、エンタメ性は少ない分娯楽には向かないが、真摯な視点と描写で信頼ができる、というのが個人的なイメージ
