観ていたけれど、書いていなかったので
もう一度しっかり観よう名作シリーズ17
ミステック・リバー→神秘的な、不思議な川、そこにら立ち込める深い霧に全編包まれているような作品。
「救いようがない」映画として挙げられるごとも多いが、確かに観ていて、重い空気に押し潰されそうになるし、それが一瞬でも晴れて、雲の影からでいいから光が差し込む瞬間があればいいのだが、、、
ただ、その重い物語をそれだけに終わらせずに、重厚なドラマに仕上げでいくイーストウッド演出はさすがだ👍
この映画は、まず、あの少年時代の事件からスタートしていく。
何気ないイタズラ。乾いていないコンクリに自分たちの名前を書く。
「一生残るぞ!」と笑いながら行った小さな罪。そして、この言葉が別の意味を持っていく。
消えないイタズラの跡、書き途中の 名前、、
んん、上手いねえ〜
大人になったこの時の少年たちを、
ショーン・ペン、ケヴィン・ベーコン、
ティム・ロビンスの実力派が演じている。
疎遠だった子ども時代の友達がある事件によってまた引き寄せられるように交わり始める。
「被害者の父」「容疑者」「刑事」として、
あの事件以来止まっていた3人の関係が動き出す。
11歳のあの事件がデイブを今も苦しめ、深い川の霧から抜け出せないのだ。
原作はミステリーだが、本作はミステリーというより、3人のあの少年たちがどう変わっていき、交わって行くかをじっくり見つめていく。
時より感じることだか、監督イーストウッドの視線が俯瞰というか、主人公を見守りながらも、一定の距離を置いて描いているようだ。
この作品もそう。3人の運命を肯定も否定もせず、ただ、流れる川のように見つめる立場を貫いている。
正直、推理ミステリーとしては、真犯人の動機などもやや説得力を欠いている感はあるし、ある人物が可哀想〜の意見も分かる。
イーストウッド作品としては、ベストではないだろうが、役者のチカラを最大限に発揮させるとか、人物を取り巻く場面の緊張感とかは、一級品だ。
ジミーに呼び出させたデイブの怯えと、 の怒りが交錯するクライマックスの緊迫感。あれを出せる人って、そうはいないと思う。
「良い映画を観ているなあ〜」という満腹感を味合わせてくれる重厚な一作であることは間違いない。