丁寧に作られている作品だと思いました。そして、失礼だがクリント・イーストウッド作品とは思えない面白さでした。私が観た彼の作品は、全て日本のヤクザ映画に似て、やむを得ない状況に追い込まれて劇的な行動を執る、そんなワンパーターンのように感じていたから。この作品を観ていろいろ考えさせられた。偶然が重なれば、冤罪が発生する余地はあるんだなと。全て彼が犯人ならつじつまが合ってしまうことはあるんだなと思った。冤罪を良しとするわけではもちろんないが、どう考えても彼が犯人だということ以外はあり得ないということ状況が作られてしまうことはあるのだと思った。もう一度見直したいところがありました。恋人を殺されてしまった若者の弟が実は耳が聞こえていたという設定に意味があったのか。さらには、その若者は耳が聞こえないということで弟のことをいつも気に掛け本当に可愛がっていたのに本当は耳が聞こえていたことがある事件が起こるまで分からないということがあるだろうかということを確かめたいので。