友人という最小のコミュニティの中で確かに人間関係は成立していた。
11歳で事件に遭遇した時から抗えない三人の運命はよもや決まってしまっていたかのようにさえ思える。
幼少期に出逢った三人と言うと、あちらは実話だが、ついつい「15時17分、パリ行き」と比較してしまう。
プラスに共鳴し合えるか、反対にマイナスに向かうかで結末の差は大きく変わってしまう。それを思うとあの事件はあまりにも大き過ぎた。
深いトラウマを抱えたデイヴを救えなかった二人、ラストでショーンがジミーに人差し指を向けるシーンにはおぞましさと恐怖すら覚えた。
心根が優しく気弱なデイヴ、その人生の不条理を思うとやり切れない、
イーストウッド作品の余韻の深さと影の使い方の素晴らしさを今回もこれでもかと感じるものだった。