Skyler

真珠の耳飾りの少女のSkylerのネタバレレビュー・内容・結末

真珠の耳飾りの少女(2003年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

現代で言うところの極度のコミュ障だったらしいアガサクリスティはある時失踪事件を起こし世間にあらゆる憶測をよぶことになった

その時の真相をフィクションとして描いたアガサという作品が好きで、実際のところは永遠に分からないけど想像して歴史の1ページを創作する作業にはロマンを感じる

今作の耳飾りの少女のモデルは実際は不明でストーリーはフィクションらしい

主人と妻と使用人の三角関係・意地悪な娘と使用人の関係、ストーリーは至って普通なのだが映画としては素晴らしい

なんといってもキャスティングの成功が大きく、音楽・演出の妙も相まって始まりから目が離せなかった

ただ、画家が使用人に手をつけたりする世界は現代人には普通の感覚なのであそこまで妻に遠慮する画家に珍しさを感じなくもない

姑も言っていたようにパトロンを失うこと生活基盤を失うことで、パトロンの意向は絶対的なのは事実なので、雇われる側は本人もその家族も使用人も理不尽に耐える構図が自然だと思っていたのは現代病なのか

フェルメールの妻は夫を気遣うでもなく子供を守るでもなく使用人への態度も何一つ良さが感じられないのに子沢山なのは、妻への愛情もあるのだろうに、そこは描かれていないので少し分かりにくい

異性に髪の毛すら触らせない(そもそも見せない)当時の貞操観念は現代人の想像もつかないくらいなのだろうね

ここまで単純なストーリーでこれだけのクオリティに仕上げた監督は素晴らしいの一言
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