三陸わかめ

真珠の耳飾りの少女の三陸わかめのレビュー・感想・評価

真珠の耳飾りの少女(2003年製作の映画)
4.2
これはすごい映画ですね。絵作りというか、映像すべてがフェルメールの世界観です。月並みかもしれませんが、ほんとなんです!!そのまんまなんです!!

冒頭でスカーレットヨハンソンが野菜を切るシーンがありますが、完全にフェルメールの絵そのもの。これは驚いた。窓から差し込める光の中で、黙々と作業する様子はまさしく絵画の世界。

しかしそんなオランダの美しく気品あふれる雰囲気に酔いしれる中、いきなり精肉店に行って切断されたばかりの豚の頭が並ぶ!!丸裸の鶏に小麦粉を塗りたくる!主人公は使用人なので必然的に台所での料理のシーンが多くなるのですが、豪華絢爛で上品な食卓の裏舞台にある、こうした生々しさというか、生活感も最高でした。

「フェルメールの絵をよく実写で表現した!」とこの映画を賛美するのも正解ですが、「フェルメールの絵画があまりに写実的でリアルだから、実写化するのも容易だ」ということもできます。いずれにしてもフェルメールの才能に対して大変敬意の感じられた映画でした。
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