孤児のジェーン(ペギー・アン・ガーナー/ジョーン・フォンテイン)は親戚の家を追われ慈善学校に入るが、そこでも虐げられ、10年後に自由を求めロチェスター家に家庭教師として赴く。そこで粗野で皮肉屋の当主エドワード(オーソン・ウェルズ)に出会い、彼の秘められた優しさに惹かれるが、彼には隠された秘密があった。
有名小説の映画化作品で、後に「メリー・ポピンズ」を作るロバート・スティーヴンソンが監督だ。
まず、ジェーンが寄宿学校で10年も虐げられて、性格が捻じ曲がらなかったのに驚き。笑
彼女は愛されることを切望する少女だったはずだが、逆に愛されることの嬉しさを知っているからこそ、何の見返りも求めずにアデールやロチェスターを愛することができたんだろう。
そんなジェーンが、富や地位や容貌などに囚われない真の愛を紡ぎ出す物語であることは良く分かった。
ただ、どうしても原作のダイジェストみたいに感じてしまうのはしかたないのかなー。
やたらとスモークを使った演出もあって、「嵐が丘」ともどもホラーっぽいのが笑えてしまう。
ジョーン・フォンテインのちょっと冷淡だけど、忍耐強い愛情を見せる演技は良かったし、オーソン・ウェルズの大仰だけど、不気味で寂しげで圧迫感のある演技も好きだ。
さらに、親友ヘレンを演じているのが、まだ11歳のエリザベス・テイラー。大人っぽい!
そんな感じで、かつての名優を眺めて楽しむのもいいだろう。