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ハードロック・ハイジャックのRのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

1994年のアメリカの作品。

監督は「ヘザーズ ベロニカの熱い日」のマイケル・レーマン。

あらすじ

冴えないアマチュア・ヘビメタ・バンド「ザ ・ローン・レンジャーズ」の面々は自分たちの曲をラジオでかけて、ヒットを狙おうとある日、ラジオ局にモデルガンの水鉄砲を持って押しかけるが、警察やSWATまで出動してしまい、大騒動に発展してしまう!

「配信ではあまり観られない作品を観てみよう」題して「Digりムービー」第三弾!

今回も例のごとく、ブックオフで買った今作をチョイス。

お話はあらすじの通り、なんか本広克行監督の「スペーストラベラーズ」みたいな内容なんだけど、まずラジオ局に押し入ってしまうバンド「ザ ・ローン・レンジャーズ(Lone(孤独)なのに複数形という矛盾)」の面々が豪華。

ボーカル兼ギタリストのチャズを演じるのは4月に公開予定の「ザ ・ホエール」で今年度のアカデミー主演男優賞を受賞し、華麗なカムバックを遂げたことも記憶に新しいブレンダン・フレイザー(「クライム・ゲーム」)。今作ではまだ若手バリバリの頃なので端正な顔立ちとヴァン・ヘイレンみたいな微妙に古くさも感じるパーマがかった長い長髪が新鮮。

そして、ベーシストのレックスを演じたのは元祖個性派俳優の1人で数々の名監督にも愛されるスティーブ・ブシェミ(「モンスター・ホテル 変身ビームで大パニック!」)。他の2人よりも年齢差は微妙にありそうながら、ぶっちゃけ彼が演じるレックスは個人的に1番カッコいい!!

まだ若い肌艶に、でも顔立ちはいつものブシェミ、なのに髭面とチャズとはまた異なる今風な洒落っ気のある黒髪長髪とまさにロックスターそのものという感じでメンバーの中では1番粗暴でアナーキーな素質も相まって1番ROCKを感じるキャラクターとなっていた。

そして、最後はドラマー担当のピップを演じたアダム・サンドラー(「マーダーミステリー2」)。明らかに他の2人よりも幼く感じるのは1番おとぼけで優しく純粋なキャラクターもあると思うが、そんなベビーフェイスに反して、意外にタッパがあることもあって、劇中のベッドシーンでは今のおっさんイメージでは考えつかないようなモデル体型の裸体を拝めるので、サンドラーファンも要注目!!

そんな3人がラジオ局にひょんなことから立て篭もる羽目になってしまうんだけど、お話自体はかなりのドタバタで忙しない。

ラジオ局のスタッフもチャズたちに意外に初対面から理解があるDJのイアン(ジョー・マンテーニャ「愛と裏切りの銃弾」)をはじめ、裏で暗躍する嫌味なプロデューサーがいたり、ピップといい感じになるビッチガールがいたりとかなり個性的でその面々との下ネタありーのかなり矢継ぎ早な会話シーンがあると思えば、警察側も人質交渉でチャズの元カノやバンドのテープコピーを探すくだりがあったり、ハイジャックから逃げおおせたリーマンの過度にスラップスティックな逃亡劇があったりと「一方、その頃…」なパートごとのシーンも盛り込み過ぎでなんか観ていてそのノリの古くさもあって息切れがすごい…。

一個一個のパートのギャグ要素自体も微妙にノリが古くさかったり、あんまり笑えないし、キャラクターも急に性格が180度変わったり、特にチャズと元カノのケイラ(エイミー・ロケイン「エイリアンE X」)のくっつくくっつかないの痴話喧嘩のくだりなんかもうお互い情緒不安定すぎて見てられない。

あと、肝心のローン・レンジャーズの歌なんだけど、ラジオで流そうとするたびに機材の故障したり、邪魔されたりとなんだかんだ流されなくて、そうなると音源で流せないなら、ゲリラライブ決行するための道筋が立って、ちゃんとそのお膳立てもされるんだけど、そこもなんかチャズがアーティストの誇りみたいのを掲げてなかなか演奏しないのでヤキモキ。まぁ、ラスト逮捕されてのエルヴィス仕込みの「監獄ロック」のライブもあって、それ自体は良かったと思うんだけど、どうせ演奏してくれるならその前にオーディエンスもちゃんといて、絵的にも盛り上がるんだからタイミングとしてはそこでしょうと。

という感じで90年代みもありつつ、音楽愛に溢れた作品ではあるんだけど、なーんかヤキモキする作品でもありました。

ちなみに、Amazonなどでも中古で販売されてるのとは別に、アマプラでも見放題じゃないけど観れます!
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