ヒチ

デモンズ’95のヒチのネタバレレビュー・内容・結末

デモンズ’95(1994年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

 死んだ人間が蘇るようになり生者にとって死が1つのゴールじゃなくなったとしたら、人は人生の出口を何処に見出すべきなのか。「ゾンビ」という存在が人の価値観、ひいては生き方にもたらす影響を思索的に描いた作品。こう書くと小難しいように聞こえるけどナンセンスというか普通にアホなん?っていうシーンも多くていい意味で隙が多く、あくまでB級ホラーのトーンを維持していることによって他では得難い魅力を獲得していると思う。
 「人生に出口なんてない。」がもちろんゴールな訳だけど、そのゴールに主人公が辿り着くまでの過酷な道程と、その命題に肯定的な承認を与えるささやかで安らぎに満ちた瞬間の対比。人生が取るに足らないスノードームの中の出来事に過ぎないんだとしても、それが何だっていうんだろう。
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