うかりシネマ

御法度のうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

御法度(1999年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

新選組に新たに入隊した加納は美少年であった。同期の田代に求められた加納は、次第に隊の男たちに抱かれるようになっていく。
加納を演じた松田龍平はつぶらな瞳に色白で線が細く、デビュー作ということもあって演技ができていないさまが、むしろ男色に説得力を持たせる。ただ一人純白の袴を纏うのは、無垢と菊を暗示させる。

暴力を生業とする閉鎖的な新選組の異常性と、そこに蔓延した男色、そしてより異常性の高い加納が描かれる。加納こそ美形だが、加納に惹かれる者たちはどれも中年で美しいとは言えず、男色の関係は生々しい。
ダイナミックにドラマが動くことがなく、起こるイベントは多いがストーリー的な面白さは少ない。
妙にフラッシュバックを多用したり、必要のなさそうなモノローグが随所に入ったり、地の文を入れたりと、独特な演出が癖になる。