三四郎

三人の妻への手紙の三四郎のレビュー・感想・評価

三人の妻への手紙(1949年製作の映画)
4.6
丁寧に慎重に優しく美しく描かれた映画であり、しっかりとした「物語」を持っている。
アディという声だけ登場する魅惑的な美しい女性が三人の妻の夫のうち誰かと今夜駆け落ちをする…その手紙が三人に一通の手紙として届けられる。
皆それぞれに夫との仲にわだかまりを抱えており、「もしかして…」と三者三様の回想シーンが流れる!
三人のどの物語も「夫婦」「結婚生活」というものをリアルに描き、その奥深さに引き込まれる。

私が最も好きだった話は、双子を持つ夫妻のお話。夫は安月給の教師、しかし教師という仕事に誇りを持っている。妻はラジオドラマの脚本家。
私はカーク・ダグラスに惚れてしまった!とてもいい旦那様ではないか!妻が「駆け落ちしたのは私の夫ではないかしら…」と不安そうに帰ってくると、家からは音楽好きの彼のレコードが流れてくる!!妻は喜び勇んで家の中へ!!ソファからタバコの煙が見え、するとくつろいでる夫が立ち上がり「おかえり」と微笑む!!私まで嬉しくなった!!よかったよかった!この家の夫ではなくて!!
この夫婦が幸福であればもうあとは安心して見られる、そう思った。
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